【ひとりたび】一人静かに熱海へ出かける2

くらし

気がつけば、熱海で一人旅をした日から1年ほど経過してしまった今日この頃。

お待たせしてしまっている、熱海一人旅の午後の部についてお話しして行きたいと思います。

思い返せば旅行に出かける前夜、行きたいところがありすぎて午後の予定を決めかねていました。

いつもそうです。

楽しいことを思いつくことが大好きな私は、たくさん楽しいことを思いつきます。

そして、結局何が良いのか分からなくなってしまうのです。

皆さんならそんな時どうしますか?

私はノープランで出かけます。

悩んだ時間は、それはそれでどれで楽しいものです。

さて、前置きが長くなってしまいましたが、午後の部スタートです。

【PM2時 愛し愛された起雲閣】

窓ガラスにご注目

お腹も心も満たされたところで、遅ればせながらの観光地巡りを始めました。

まず、海沿いを歩きながら「起雲閣」へ。

もともとは実業家たちの別荘として築かれたこの起雲閣は、その後旅館となり太宰治や尾崎紅葉なども宿泊した文豪憩いの地。

気まぐれに太宰治の小説を読む私は、当時の文豪たちがどのようにしてこの熱海の起雲閣で過ごしていたのか気になっていました。

起雲閣は、入り口に受付やパンフレット置き場などもありますが、奥に進めば進むほど静かでのんびりとした雰囲気が流れています。

歴史好きな私は、たまたま訪れる人が少なかったことを良いことに、起雲閣についての説明をされていた案内の方に、あれはこれはと質問攻めしていました。

そういえば小学生の頃の社会科見学が大好きだったな、と懐かしいことを思い出したり。

起雲閣では、文豪たちが東京という街を離れ、ここ熱海で癒されたいと思った気持ちがなんとなくわかり、またこの起雲閣を守ろうと必死に活動した女性らの話を聞くことができました。

【PM3時 新たな熱海の地来宮神社】

古き熱海と新しき熱海

大正ロマンの余韻に浸りながら、坂を登ること数分「来宮神社」に到着しました。

最近の熱海観光といえば、ここ来宮神社が外せないようです。

赤い鳥居をくぐり抜けると、現代アートに囲まれた神社が現れました。

私はこの神社について、事前に対照的な二つのお話を聞いていました。

一つ目は、温泉卵を教えてくださった観光ガイドのおじさんから聞いた話です。

「来宮神社はテーマパークだよ、神社に行くならやっぱり伊豆山神社だよ」

二つ目は、干物屋のご主人でした。

「あれ、同級生がデザインしたんだよ!すごいよなぁ」

面白い映画も美味しいご飯も、最初の人がどのように説明するかでだいぶ変わるものです。

来宮神社は境内の周りがかなり綺麗に整備されており、オープンテラスや写真映えスポットもあり、なるほど確かにテーマパークと言われる所以がわかりました。

一応ですが、乗り物はありません。

故人が愛した熱海とこれからたくさんの人に愛されて行く熱海の、二つを感じることができました。

【PM4時 映えと恥と私とプリン】

美味しかったです。

バスも使わずに坂を駆け下りた私は、4時のおやつを求め再び賑やかな熱海銀座商店街に向かうのでした。

「おさかな食堂」で折られた心の傷はまだ治っていません。

しかし、熱海に来たら絶対に食べると決めていたものがありました。

そう、「熱海プリン」です。

ずっと迷っていました。

インスタグラムで「熱海 スイーツ」と検索すれば必ず現れる「熱海プリン」。

若い人だらけに決まっているじゃないか、と。

おさかな食堂は諦めても、どうしても熱海プリンだけは諦めたくない私がいました。

店の前に到着すると、案の定という具合に大学生の集団や歳の若いカップルがスマホ片手にひしめき合っていました。

親切に店内にはイートインスペースが設けてありますが、昭和の面影を感じさせるお風呂屋のイートインスペースは、仕切りなど一切なく、座る人全ての人と顔を向き合うことのできる作りでした。

念願のお熱海プリンは本当においしかったです。

しかし、なんとも心が冷たくなった出来事でした。

熱海プリンではなく、熱海プリンパフェを食べたからでしょうか…。

【PM6時 優しく光る熱海の夜】

絶景かな。

日も暮れ始めた頃、私は今宵の宿に向かいました。

一人旅で1番不安に思っていたことは、宿泊先での一人の時間です。

この時間を過ごすのか、はたまた日帰りとして帰ってしまおうかと迷いどころでした。

だからこそ宿泊と決めたからには、美味しいご飯が出るところを探し、そして予約したホテルが「熱海後楽園ホテル」です。

GO TOトラベルのおかげか、朝夕二食付きで1万円でした。

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簡単に荷物の整理をしてから、食事の間へ向かいました。

旅行先での懐石料理なんていつぶりだろう、そんなことを考えながら料理を待ちます。

新鮮な海の幸に、柔らかなステーキ、季節をそして熱海を味わえる栗としらすの釜飯。

流行病がなければ、今頃きっと賑やかな熱海の街を眺めながら食べるご飯は、この上なく幸せを感じる瞬間でした。

そして何より、料理を出してくださった方々の配慮もまた熱海の魅力の一つでした。

【PM8時 熱海に泊まるということ】

起雲閣のお風呂

懐石料理を一つも残さずにお腹を膨らませた私は、「熱海後楽園ホテル」を選んだ理由の一つでもある温泉に向かいました。

今となっては、なぜ最初の一人旅を熱海にしたのかはっきりとは覚えておりません。

熱海といえば、クレヨンしんちゃんの映画の地であったり、怪しい関係の大人たちの宿泊の地、というなんとも失礼な記憶しかありませんでしたので。

夜空に溶けて行く湯船に浸かりながら、私は私が悩んでいたことを思い出しては、どうでもいいやと温かい温泉に流しながら無になるのでした。

旅から帰ればまたいつもの日常が始まる。

考えなくてはならないことも山ほどある。

だけど今だけは、今この瞬間だけは、何も考えずにこの優しい熱海に包まれていたい、なんてロマンチックになれるそんな温泉でした。

その後、火照った体を見慣れないベットに投げ飛ばし、静かに床につくのでした。

熱海一人旅一泊目終了です。

【編集後記】

旅ブログかと思いきや、お店の営業時間や食事の値段など一切書き記していないこの記事は、果たしてブログと言えるのでしょうか。

なんて、一人自問自答しながらカフェで一人PCを打っております。

小説を始めて書いたのは、小学校3年生の頃でした。

その頃、担任の先生の影響で江戸川乱歩にはまっていたので、ほとんど乱歩と同じような口調で自己満足に小説を書いてみては、数千字で書くのを辞めていたのです。

そんなこんなで終わりまで物語を書いたことがない私は、果たしてこの小説とも言える旅の記録をどのように完結させるのでしょうか。

なんて、実際のところあまり不安に感じていないことを文末におき、編集後記も閉じます。

次回、熱海一人旅二日目どんな思い出話が始まるのか、楽しみにしていただけると幸いです。

それでは、また。

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